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2.引き合い・交渉・契約

 

●電子商取引の場合、どのようなやりとりをもって契約が成立したとみなすか、その考え方を整理することが必要ではないか。

(企業間取引と企業・消費者間取引を分けて考える)

?@我が国民法における契約自由の原則は、契約の方式の自由も包含するため、どういう形態で契約をしてもよいこととなる。よって、我が国では電子的な方法で契約を成立させるということ自体に契約としての有効性を阻害するような問題はないと考えられる。また、書面等を要求しないで、合意の成立だけでもよいことになっており、基本的には電子的な形態で契約を成立させても、効力には全く影響はないと考えられる。

 

?Aしかし、従来までの取引の場合は、対面での口頭または書面による契約であり電子商取引の場合、隔地間において対面することなく、電子データにより意志が伝達されるため、どのやりとりをもって契約が成立し、債務履行義務を有するかなど不明確な点も多い。

 

?Bよって、電子商取引の場合、どのようなやりとりをもって契約を成立すれば、強制力の有する売買契約が成立され、いっ義務が発生するかどうか等の紛争の回避を図れるのか、その考え方を整理する必要があるのではないか。

 

?C現在、EDIを利用した企業間取引においては、例えば、受発注の方法、検収の時期・方法、瑕疵担保責任、代金の支払方法及び時期等を定めた取引契約及びEDIを利用して商品売買を行う基本的枠組みを規定しているデータ交換協定(注)を締結しているのが一般的である。

(注)データ交換協定

電子的な手段によって取引に係わるデータの交換を行う場合に、そのような手段をとることに特有な法的問題について基本的事項を規定するもの。

 

?D米国においては、1990年に、米国法曹協会がモデルEDI契約書を発表し、日本においても、1996年3月に日本情報処理開発協会がデータ交換協定書(参考試案)を発表している。

 

 

 

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